第28章 神崎雅臣の女

ディーラーが改めてシャッフルを始めた。動きはさっきまでより目に見えて遅い。卓のそばに漂う、形のない圧を、向こうも感じているのだろう。

鳴海奏斗は、もう小細工をしなかった。

したくないわけじゃない。――できないのだ。

神崎雅臣が、そこに立っている。手をズボンのポケットに突っ込んだまま、気だるげに卓を眺めていて、鳴海に正面から目を向けることすらない。

だが、その無造作さが、どんな脅しより効いた。

鳴海家がJ市でそれなりの顔だとしても、神崎グループと比べたら?

靴を揃える役にも立たない。

万が一、この女が本当に神崎雅臣の身内なら。今日のイカサマが表に出た瞬間、失うのはカジノのチップど...

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