第29章 第六回

鳴海奏斗は椅子の背にもたれ、足を組む。両手を交差させて膝に乗せ、にやにやと無頼な笑みを浮かべた。

「2本先取? 誰が決めたルールだよ」

夏目千尋がじっと睨む。

「あなたが言った」

「俺が?」鳴海奏斗は首をかしげ、いかにも無垢な顔を作る。「へえ。俺、覚えてねえなあ。ここにいるみんな、聞いた?」

短髪の男がすかさず援護に回る。

「聞いてないっすね。鳴海さん、そんなこと言ってなかったと思いますよ」

煙草をくわえた男が、愉快そうに輪を吐きながら追い打ちをかけた。

「そもそもこの卓は鳴海さんが立てたんだ。ルールだって鳴海さん次第だろ」

鳴海奏斗は肩をすくめる。ほらね、とでも言いたげな...

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