第36章 また神崎雅臣に出くわした

女生の表情を見た瞬間、三上隼人は察していた。――ああ、これ俺に気があるやつだ。

いつもなら、少しくらい遊んでやってもよかった。だが今の彼には、もっと「いい獲物」がいる。

アンナという女。

そっちに狙いを定めた以上、目の前の女子には、もう指一本動かす気も起きなかった。

周囲のざわめきは膨らむ一方で、気づけば野次馬が何重にも輪を作っている。

そのとき――タタタッ、と急ぎ足の音が人垣の外から近づいてきた。次いで、人々が空気を読んだみたいに左右へ割れ、一本の道ができる。

松本文子が入ってきた。

「ちょっと、何なの。大声出して……みっともないでしょう」

白い服の女子が、それを見た途端ぱ...

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