第37章 私が通報する

神崎雅臣の背後から、葉山心菜が小走りで追いついてきた。

さっきまで向こうで数人の同窓生と談笑していた彼女は、こちらで何かあったと聞きつけ、野次馬根性で覗きに来た――その瞬間、群衆の真ん中で立ち尽くす夏目千尋を見つけた。

胸がざわつく。

アンナじゃない。なんでこんなところで、寄ってたかって――?

考えるより先に体が動いた。くるりと踵を返し、従兄を探しに行ったのだ。

神崎雅臣はもともと、貴賓室で数人の経営者と投資の話をしていたところを、心菜に半ば引きずられて連れてこられた。少し不機嫌そうだったが――。

会場へ足を踏み入れ、夏目千尋の青ざめた顔と、鞄のストラップを握りしめる指を見た瞬間...

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