第50章 謝罪

夏目千尋は、ひとりで湯船にもう少し浸かってみた。けれど、さっきまでのような解ける感じは、もうどこにもなかった。

頭の中を占めているのは、さっきの光景ばかり。

神崎雅臣が湯の中から勢いよく顔を上げた瞬間の表情――あれだけは、一生忘れられそうにない。

それに、彼が立ち上がって出ていくとき。

肩からこぼれた湯が、背中の筋肉の流れに沿ってつぅっと落ちていって……。

あの背中。

……認めたくないけど、神崎雅臣は、顔も体つきもやたら整っている。性格さえ最悪じゃなければ、好きになる人はもっと増えるはずだ。

夏目千尋はぱん、と自分の頬を叩いた。

何を考えてるの。

湯から上がり、バスローブを...

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