第51章 また彼女に出会った

――その一方。

神崎雅臣は着替えを済ませ、部屋のドアを開けた瞬間、つま先が何かに当たった。

見下ろすと、床に二つ折りの紙が落ちている。

しゃがんで拾い上げ、開いた。

そこには男の後ろ姿が描かれていた。線は少なく、さらりと数本で形を取っただけ。それでも肩幅も、腰のくびれも、背中の筋も、妙に正確だ。

右下には小さな人物。丸い頭に大きな目。地面にひざまずいて両手を上げ、豆粒みたいな涙をぽろぽろ落としている。その横に太い字でこう書かれていた。

『ごめんなさい! 本当にわざとじゃありません!』

その下に、さらに小さな字。

『温泉の件は全部事故です』

いちばん下には吹き出し。

『神崎...

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