第52章 平手打ちした

中島玲子は頑として動こうとせず、夏目千尋もこれ以上は引くつもりはなかった。

 「義姉さん、最後にもう一度だけ言う。山を降りてから話そう」 

「よくそんな誤魔化しが言えたもんだわ」 中島玲子は一歩前へと詰め寄った。その指先は、今にも夏目千尋の顔に突き刺さりそうだった。 

「あんたの伯父さんが毎月いくら稼いでるか、こっちはすべて知ってるのよ。自分一人食っていくのが精一杯のくせに、毎年毎年こんなところまで来やがって。その金は誰が出してるの? 全部、家から毟り取った金でしょうが!」 

伯父さんの顔が真っ赤に染まった。 

「中島玲子、いい加減にしろ!」 

「何がいい加減よ!」 

中島玲子は...

ログインして続きを読む