第69章 早く納得させて

「病気だと? 重いのか?」

神崎おじい様の声が、途端に硬くなる。

「何の病気だ。どこの病院に入ってる?」

夏目千尋はスマホを握ったまま、視線の端でベッドの上の夏目博夫を見た。

博夫は彼女をじっと見つめ、口を半開きにしている。聞き耳を立てているのが丸わかりだった。

「大したことじゃないの。ちょっと疲れが溜まっただけで、数日休めば退院できるって」千尋はわざと明るく言った。「おじい様、心配しないで。明日そちらに伺って、直接お詫びします」

「何を詫びるんだ」神崎おじい様の口調がふっと緩む。「お父さんが入院してるなら、そっちでちゃんと付き添ってやりなさい。それが一番だ。治ってから来ればいい...

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