第91章 贈り物

神崎雅臣は、彼女の真っ赤に染まった頬をじっと見据えた。

今日は彼女を庇って刃を受けたせいで、風呂だってろくに入れない。なのにこの女ときたら、勢いよく突っ込んできて、こっちを丸裸のまま見やがった。

「もう行け」

神崎雅臣は深く息を吸い、そう言った。

夏目千尋はこくこくと頷き、壁際に身を寄せながら出口へにじるように移動する。

玄関のドアノブに指が触れた、その瞬間。

背後から低い声が落ちてきた。

「待て」

夏目千尋の動きがぴたりと止まり、背中がドア板に貼りつく。

「もう遅い」

神崎雅臣は脇にあった乾いたタオルを引っ掴み、乱暴に髪を拭く。

「白石深尾に送らせる」

「い、いえ!...

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