第5章 私生児

レオンの顔色は刹那のうちに、死神にでも出くわしたかのように真っ白になった。カップを握るその手は微かに震え、眼差しには恐怖が満ちている。

「何をおっしゃっているのか、全然わかりませんよ、伯爵奥様」彼は苦しげに唾を飲み込み、嗄れた声で言った。

「とぼけるな、レオン」私は冷笑を浮かべる。

「エドモンドとの計画は、もう知っている。お前が話さなくとも、王族衛兵に引きずらせて尋問させることだってできるんだぞ」

レオンは慌ててあたりを見回し、声を潜めた。「だ、駄目だ。話せば、エドモンドの黒魔法の呪いで、俺はその場で死ぬ」

「お前が心配すべきは、私の魔法の方だろう」私は手を持ち上げ、指...

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