第6章 もう一度

「かつての誼みだ、どうか私を見逃してくれ」

レオンが伝書鳩を使って命乞いの手紙を送ってきたのは、これで七度目になる。カフェでのあの日以来、レオンからの手紙はほぼ毎日のように届き、その文面は最初の懇願から今や絶望へと変わっていた。伝書鳩が運んできた羊皮紙には、エドモンドへの極度の恐怖が滲む震えるような筆跡が残されている。

「もし伯爵様に計画を漏らしたことが知られたら、私は生きた心地がしないでしょう……」

私は冷笑を浮かべ、手紙を暖炉に投げ入れた。炎は瞬く間にその卑屈な文字を飲み込んでいく。もはや臆病な裏切り者に構っている暇などない。

城の石壁が朝の光を浴びて冷たい色を放つ中、私...

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