第7章 エドモンドの幻境

王宮衛兵に完全に取り囲まれ、両手には魔力を封じる魔法の鎖が巻きつけられている。周囲の貴族や魔法使いたちはひそひそと囁きを交わし、その眼差しには驚きと侮蔑の色が満ちていた。計り知れない屈辱を感じるも、抵抗する力はない。

「エドモンド・モントロイ、貴様を婚姻の誓約への違反、禁忌魔法の使用、王室資産の横領、そして殺人の罪で逮捕する」

王宮筆頭魔法使いが、罪状を読み上げた。

俺の眼差しは、驚愕から怒りへ、そして絶望へと変わっていく。エレナの、氷のように冷たい、一片の憐れみも宿さぬ顔が脳裏に蘇った。 「エレナ!これは全て誤解なんだ!」

俺は叫んだ。激した感情で、声が甲高く裏返る。

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