第203章

湯川七海が病室に入ると、ベッドの上には苛立ちを隠そうともしない黒田大河が座っていた。

さっきすれ違った園田麻衣の、あの慌ただしい足取りを思い出す。

七海はフルーツバスケットをサイドテーブルに置いた。

「お前、以前は愛しているのは園田麻衣だけだって散々言ってたじゃないか。その愛する人が見舞いに来てくれたってのに、なんでそんな不機嫌な顔してるんだ?」

大河は冷ややかな視線を彼に向けた。

「人の不幸を面白がるな」

正直なところ、今の彼の姿を見て、七海は心のどこかで「自業自得だ」と感じていた。忠告を聞かなかったのは彼自身だ。

「全部、自分が蒔いた種だろ? 俺は親友として忠告したのに、聞...

ログインして続きを読む