第208章

西園寺蓮の顔色は恐ろしいほど静まり返り、その瞳は凍てついた湖面のようだった。

一見穏やかに見えるが、その奥底では激しい感情が渦巻いている。

濃紺のスーツに同色のコートを羽織っている。その少し乱れた様子からは、急いで駆けつけたことがありありと見て取れた。

黒田大河の手が空中で止まる。

病室の空気が、その一瞬で凍りついたようだった。

立花柚月は彼が来るとは思ってもみなかった。いつからそこにいたのか、どれだけ話を聞かれていたのかも分からない。

「あなた……」

西園寺蓮はゆっくりと歩み寄る。黒田大河には目もくれず、真っ直ぐに立花柚月のそばへ行くと、その肩を抱き寄せた。

それは独占欲と...

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