第212章

車は、帰路を滑るように走っていた。

立花柚月は助手席のシートに身を預け、ハンドルを握る西園寺蓮に視線を向けた。車窓を流れる街灯の光と影が、彼の精悍で彫りの深い横顔を交互に照らし出している。

彼女は何も言わず、ただ静かに彼を見つめていた。

視線に気づいた西園寺蓮が、ふとこちらを向き、柔らかな眼差しを向けてくる。

「どうした? 黙りこくって」

「あなたをどうやってお仕置きしようか、考えてたのよ」

西園寺蓮がハンドルを握る指に、僅かに力がこもる。

彼女が何を言わんとしているのか、彼には分かっていた。今日、カッとなって賀来敬二のもとへ乗り込み、あろうことか手まで上げたのだ。確かに、軽率...

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