第215章

立花柚月は、彼が何を考えているかなどお見通しだった。

この期に及んで復縁を迫るつもりか、あるいは脅しをかけるつもりか。だが、そんなことはどうでもいい。

彼女はただ、失望していた。

以前であれば、黒田大河の記憶喪失を言い訳にすることもできただろう。だが今はどうだ?

「なぜ西園寺蓮が賀来敬二のところへ行ったと思う? 賀来敬二が何者かに指示してブレーキワイヤーを切らせ、私を殺そうとしたからよ。あなたもあの時、車に乗っていた。あなたも死にかけていたのよ」

彼女には理解できなかった。

「自分を殺しかけた犯人を、あなたは今、庇おうとしているわけ?」

黒田大河は口をパクパクとさせたが、言葉は...

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