第217章

黒田夫人は珍しく、園田麻衣に対して憐憫の情を抱いた。

「あのバカが何と言おうと、別れさせはしないわ。私が絶対に認めない。立花柚月なんかがこの家の敷居を跨ぐなんて、あり得ないのよ」

園田麻衣は感激したように目を潤ませた。

「おば様……」

黒田夫人は彼女の手を握りしめた。その瞳の奥に、決然とした光が走る。

黒田大河は記憶を取り戻したばかりだ。今の状況をすぐには受け入れられないのも、無理はないかもしれない。

だが、母親として、息子に「最も正しい選択」をさせてやる必要がある。

「マイさん、安心して」

黒田夫人は園田麻衣の手をポンポンと叩き、揺るぎない口調で言った。

「私が生きている...

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