第219章

西園寺蓮は、流れるような動作でその場に跪いた。

床は冷たく、そして硬い。膝が触れた瞬間、その冷気が直に伝わってきた。

「わしが反対しているのを知っていながら、こっそりと長尾武雄に会わせるとはな。あの老いぼれとわしが犬猿の仲だということは、百も承知だろう?」

西園寺翁の声は、氷のように冷たかった。

「長尾の祖父は彼女を気に入っていましたよ。ずっと会わせろと言われていたので、連れて行っただけです」

西園寺蓮は静かに祖父の目を見つめ返した。

「彼女は私の好きな人であり、妻にしたい女性です。そのことは、とうにご存じのはずですが」

こうしたのは、立花柚月を安心させたかったからだ。

彼女...

ログインして続きを読む