第230章

黒田夫人は大河のもとへ戻ってきた。その顔はどんよりと黒ずんでいる。何かあったのだと察し、大河は思わず尋ねた。

「どうしたんだ?」

聞かなければよかったものの。尋ねられた途端、黒田夫人は堪えきれなくなり、立花柚月と一条利明、そして西園寺蓮の間に起きた出来事を、立て板に水のごとくまくし立てた。

「あんな女、さっさと忘れなさい! 二人の男を手玉に取っているような女よ。お前のことなんか、鼻から相手にしていないわ」

大河は眉をひそめた。

「彼女はそんな人間じゃない」

黒田夫人は冷ややかな笑みを浮かべ、息子をねめつけた。

「そんなこと言って、自分でも本気で信じているの?」

大河は苛立たし...

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