第259章

目の前の光景は異様だった。黒田大河は翔のベッドの傍らに立ち、冷ややかな視線を西園寺蓮に向けている。

西園寺蓮は涼しい顔で視線を受け止めた。

「これから家族水入らずで食事にするんですが、黒田さんもご一緒にどうですか」

「ああ」

賢明な人間なら、これが明確な厄介払いであることなどすぐに分かる。家族三人の団欒に、部外者が同席できるはずもない。

黒田大河とて当然それに気づいている。それでも、今はどうしても立ち去る気になれなかった。

まるで、立花柚月と息子を自ら手放すような気がしたからだ。

「わざわざお見舞いの品まで持って、うちの息子に会いに来てくれたことには感謝しますよ。でも、今日は家...

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