第48章
麺を食べ終えた西園寺蓮は、どこか名残惜しげだった。
スープ一滴さえ残っていない。
彼が心から気に入ってくれたのだと見て取れた立花柚月は、思わずこう言った。
「そんなに気に入ってくれたなら、これからは頻繁に作ってあげるわ」
「ああ、頼む」
西園寺蓮は即座に快諾した。
言ってしまってから、立花柚月は少し後悔した。今後、彼に手料理を振る舞う機会などそうそうないかもしれないからだ。だが考え直した。作り方を家の手伝いに教えておけばいい。
それなら食言にはならないだろう。
西園寺蓮は考えていた。人生とはこういうものだ、と。たとえそれが極めて平凡な一杯の麺だとしても、毎日食べたところで飽き...
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