第53章

配信ルームにはモデレーターがおらず、コメントの選別もブロックも行われていない。そのため、コメント欄は有象無象の悪意で溢れかえり、まさにカオス状態だった。

罵詈雑言の闇鍋と化している。

その時、一つの捨て垢(あか)が入室した。

ヒマワリ:『あなたを信じます』

色とりどりの派手なコメントが流れる中、その白い文字はあまりに地味で、一瞬で濁流に飲み込まれてしまいそうだった。

だが、立花柚月の目には止まった。

彼女の口元に、一瞬だけ微かな笑みが浮かぶ。

その笑みは、配信を見ていた他の人間たちにも目撃されていた。園田タカシは鼻を鳴らした。

「図太い神経してやがる。まだ笑う余裕があるとはな...

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