第67章

立花柚月は瞳を閉じ、絶望の中で死を待った。

「やめろ!」

その声に、立花柚月は信じられない思いで目を開けた。

視界に飛び込んできたのは、トウモロコシ畑から躍り出た西園寺蓮の姿だった。彼はそのまま突進し、運転手を拳で殴り倒した。

すかさず警察官たちがなだれ込み、男を取り押さえる。

西園寺蓮は自分のジャケットを脱ぐと、立花柚月の肩にかけた。鋭い視線で彼女の全身を素早く確認し、怪我があるのを見て取ると、迷わず彼女を背負い上げた。

「帰るぞ」

立花柚月は何も言わず、ただ彼の首に強くしがみついた。

疲れ果てていた。

もう助からないと思っていたのだ。

まさか、ここに来て光が差すとは。...

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