第70章

「おっしゃることは、よく分かりました」

立花柚月は、最終的にそう答えるしかなかった。

西園寺理穂はそこで初めて、満足げな笑みを浮かべた。

「親心の尊さを分かってもらえて嬉しいわ。もちろん、今後何か補償や助けが必要なら、いつでも私のところにいらっしゃい。全力で力になるから」

西園寺理穂は一枚の名刺を取り出し、立花柚月に差し出した。

彼女はそれを受け取った。

西園寺理穂が去った後、立花柚月はその名刺をポケットの奥底へと押し込んだ。

この名刺が日の目を見ることは、永遠にないだろう。

ナオミから連絡があった。

「芸能界でやっていく気はある?」...

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