第95章

第10章

「分かった。いつ発つ? 送っていくよ」

西園寺蓮の承諾は、あまりにもあっさりとしていた。

立花柚月は逆に現実感がない。彼は、なぜ行くのかという理由さえ聞かなかったのだ。

彼女が黙っていると、西園寺蓮は辛抱強く待った。

「三日後のフライトです」

「分かった。じゃあその日、空港まで車を出すよ。……でも、行ってしまうなら、最後に夕食でもどうかな?」

「ええ、明日の夜なら」

「もちろん。君の都合に合わせるよ」

通話を終えてからも、立花柚月はまだ少し呆然としていた。

だが、聞かれないほうがよかったのかもしれない。聞かれたところで、どう答えればいいのか自分でも分からなかった...

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