第99章

「これはあなたの意思? それとも園田麻衣の?」

立花柚月は思い出した。提携発表の記者会見で、山口稔は園田麻衣のおかげだと言っていた。

つまり、彼女が自分の手柄を横取りしたのだ。

「俺たち二人の総意だ」

立花柚月は手元のコーヒーに視線を落としたが、少しも食指が動かない。口をつける気にもなれなかった。

「つまり、いつか山口稔に嘘がばれるのを恐れて、この金で口封じをしようってわけね」

黒田大河は淡々と言った。

「立花柚月、君が今一番金を必要としていることは知っている。ノゾミやナオミのこと、アトリエの運営……どれも金がかかるだろう? これがあれば当座の生活には困らない。受け取っておいて...

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