第108章

小野隼人が突然ナースステーションに現れ、看護師が二人そろってびくりと肩を跳ねさせた。

「少々お待ちください。確認いたしますね」

数分後、看護師は端末から顔を上げ、小野隼人を見た。

「はい、間違いありません。お名前は天城澪さんで登録されています」

肯定の返答を受けた瞬間、小野隼人は一拍、固まった。

――そんな偶然があるのか。

天城澪も、凝固障害……?

しかも、記憶が正しければ、天城澪と九条和也が以前いた孤児院は、J市にあったはずだ。

まさか――。

脳裏に浮かんだ可能性に、検査結果を握る指先がわずかに震える。

長いあいだ追い続けてきた。

自分の妹は、ずっと……すぐそばにいた...

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