第130章

彼はそれほどまでに天城澪を大事にしている。彼女にこんなことをさせるなんて、九条裕也が許すはずがない。

九条裕也の名が出た瞬間、天城澪の瞳にためらいがよぎった。

……確かに。

知られたら、絶対に反対される。

だからこそ。

天城澪は小野隼人を見上げ、懇願するように言った。

「小野社長。この件は、どうか裕也には内緒にしていただけませんか」

聞き入れる気配のない彼女に、小野隼人は眉をひそめる。

「そこまでして、やる必要があるのか? 血が止まらなかったらどうなるか……君がいちばん分かってるだろう!」

後果――。

天城澪が分かっていないはずがない。

彼女はふっと微笑んだ。

「分か...

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