第137章

「小野詩織と真正面からやり合ったとき、外川絢那の名前は一言も出なかった。……ってことは、あれは小野詩織の独断だったんだろう」

外川絢那が、そこまで愚かだとは思えない。

「今、平安京大内プロジェクトは工事進捗が半分まで来てる。なのにお前は、三日に一度は何かしら起こすだろ。これからは、あっちに頻繁に行くな」

「俺はお前のそばに、24時間張り付いて守れるわけじゃない。今回だって、俺が間に合わなかったら……想像もしたくない」

九条裕也がそう言った瞬間、天城澪は、握られている自分の手が小さく震えているのを感じた。

いつだって何でもできるはずの男が、彼女のことで何度も怯えている。

胸の奥が、...

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