第148章

小野詩織が、傍聴席に向かって叫んだ。

だが次の瞬間、係員に取り押さえられ、そのまま連れて行かれる。

――けれど、あの叫び声が胸に刺さったのだろう。

小野雪絵は、とうとう心が折れた。

目の縁を真っ赤にして、小野隼人を見上げる。

「隼人……詩織に会いたいの。面会、手配してくれない?」

小野雪絵は考えてしまう。

詩織はこれから十年、塀の中だ。出てくる頃には三十を過ぎる。

その先の人生は、どうなるのだろう――そう思うだけで、胸が締めつけられた。

隼人は母の顔色の悪さに眉をひそめ、首を振った。

「母さん、今はやめたほうがいい。今の状態で会ったら、また刺激を受ける。耐えられなくなる」...

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