第152章

高橋雅子は、息子がこれほど素直に応じたのを見て、満足げに口元をゆるめた。

「和也、やっと腹をくくったのね。お母さんはあなたを害したりしないわ。用意したのはどれも、家柄も背景も申し分なくて、あなたの助けになる“いいお嬢さん”ばかりよ」

そう言いながら、彼女は九条和也がさっき選んだ資料を手に取り、軽く目を通す。

「久吉家のご令嬢、あなたと釣り合いが取れてるわ。明日の午後2時に約束してあるから、遅れないでね。ちゃんと感じよくして。気に入ったなら、すぐ話を進めてあげる」

――小野家の後ろ盾が消えた今、穴は早急に埋めなければならない。

「わかった」

翌日、午後2時。

九条和也は約束の場所...

ログインして続きを読む