第158章

退勤後、天城澪は小野隼人に迎えられ、そのまま連れて行かれた。

一方、外川啓隆は九条裕也へ場所を送る。

会食の場は、外川家。

九条裕也は送られてきた住所を見た瞬間、瞳の奥に黒いものが渦を巻いた。

――まだ諦めていない、ということか。

三十分後。黒いカイエンが外川家の門前に滑り込む。

九条裕也が足を踏み入れると、外川啓隆は最初から彼の到着を待っていた。

「先生」

九条裕也はゆっくりと言った。沈んだ眼差しは、底のない夜よりもなお深い。

外川啓隆は足早に近づき、嬉しそうに口を開く。

「裕也、やっと来てくれたか。みんな君と一緒に食べるのを待ってるんだよ」

九条裕也は小さく頷き、外...

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