第22章

天城澪は首をかしげながらドアを開けた。視界いっぱいに、花束が飛び込んでくる。

一瞬、思考が止まった。

「澪」

九条和也が花束を少し下げ、ようやく顔が見えた。優しい声で、彼女の名を呼ぶ。

天城澪は目を伏せるように瞳を冷やし、「何しに来たの」と吐き捨てた。

九条和也は覚悟を決めた顔で、真っ赤なバラの花束を差し出す。

「俺たちの約束、覚えてる?」

「……ごめん。俺が悪かった」

天城澪の脳裏に、十六の頃がよぎる。

若くて、意地っ張りで、相手に「もっと私を好きだって証明して」と言わんばかりに、些細なことで拗ねては喧嘩をふっかけた。言い過ぎたあとに自己嫌悪で胸が痛くなるのに、それでも止...

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