第43章

薄暗い灯りの下、彼女の耳たぶの紅がじわじわと広がっていく。

とりわけ、九条裕也の引き締まった筋肉のラインを思い出した瞬間、頬の奥がかっと熱くなった。

目の前にいないのに、どうして心臓だけはこんなにも忙しなく跳ねるのだろう。

「聞いたぞ。九条和也が今日もお前に絡んだらしいな」

九条裕也の声は気だるげなのに、底に不機嫌が沈んでいる。

「……なんで知ってるの?」

天城澪は思わず口にした。

裕也はP市にいないはずだ。なのに、どうして自分の動きがわかる。

「今日ずっと連絡がつかなかった。秘書に行き先を調べさせた」

「そういうこと。てっきり、尾けさせてるのかと思った」

――それでも別...

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