第55章

部長が止めようとした、その瞬間だった。高橋美咲が慌てて言葉をかぶせる。

「天城澪、いま自分で言ったよね!」

天城澪は静かにうなずいた。

周囲の同僚たちは、途端に顔をほころばせる。隠しきれない、いやらしい喜び。

――なんでいい案件は全部、天城澪に回るのよ。

公平に競ったら、新人のくせに何ができるっていうの?

誰もが内心で舌なめずりし、腕まくりをする。

この勝負で天城澪を地面に叩きつけ、踏み潰してやる――そんな空気が、あからさまに漂っていた。

ほどなくして高橋美咲は、社内デザインコンペ開催の企画書をまとめ、上に提出した。

一時間後。

天城澪のスマホに、九条裕也からメッセージが...

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