第57章

「和也、澪さんと別れてもうどれだけ経ったと思ってるの。彼女があなたのところに戻るわけないじゃない!」

「ありえない!」九条和也は即座に言い返した。「俺たち、何年一緒にいたと思ってる。簡単に切れる関係じゃない」

小野詩織が静かに刺す。

「じゃあ……澪さんが、あなたの叔父さまに嫁いでも平気なの?」

九条和也の顔色が、すっと落ちた。

「平気だ。戻ってきてくれるなら、叔父と何があったって気にしない」

たとえ天城澪が九条裕也と寝ていたとしても、だから何だ。

今までだって嫌じゃなかった。これからだって嫌じゃない。

小野詩織は、思わず拳を握りしめた。

――甘く見ていた。

天城澪が、九条...

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