第71章

「もう少し寝てる?」

耳もとで、九条裕也の低く甘い声がした。

ぞくり、と背筋が痺れる。

天城澪はびくっと身を震わせ、いっきに目が覚めた。

「……昨日の夜、私たち……」

「澪、昨日は酔って大暴れしてた」

九条裕也は目尻に笑みを滲ませ、さらりと言う。

その言葉に、澪の瞳がきゅっと縮んだ。

「わ、私……なにか、とんでもないことした?」

「した」

裕也は澪の腰に回した腕に力を込め、抱き寄せたまま告げる。

「酔った途端、俺にしがみついて離さない。引き剥がそうとしても無理でさ。勝手にキスしてきて……挙句、唇まで噛んだ」

――え。

自分から抱きついて、キスして、しかも唇を噛んだ?...

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