第83章

九条裕也は目を細め、声を落として説明した。

「九条高司の母親は、俺の兄貴の初恋の相手だった。結婚する前に身籠って……そのあと高橋雅子が割り込んで、結果的に彼女を死に追いやった。だから高司は、ずっと高橋雅子を恨んでる」

「今回戻ってきたのも、九条和也に会社を継がせたくないからだ。高橋雅子に好き勝手させる気もない」

そう言われて、天城澪はようやく腑に落ちた。

「……だから、あんなに火花散ってたんだ」

九条和也が九条高司の件で自分に頭を下げてきたことまで思い出し、澪は胸の奥がむっとする。

話題を切り替えるように言った。

「明日、病院で再検査なの。だから会社は休む」

それを聞いた九条...

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