第94章

「……君、どうしてここに?」

相手が小野詩織だとわかると、九条高司は意外そうに眉を上げた。

小野詩織はびくりと口をつぐみ、慌てて適当な言い訳を並べると、そのまま立ち去った。

――九条高司に目的がバレたら終わりだ。

九条高司は、逃げるように去っていく背中を見送りながら、唇の端に薄い笑みを含ませる。

小野詩織が本社にいる必要はない。しかも、こんな時間に。

なら、何のために来た?

さっきの停電も、あいつが絡んでいるのか。

小野詩織は――天城澪を潰すつもりか?

先ほど出ていった九条裕也と天城澪の姿が脳裏をよぎり、九条高司の笑みはさらに深くなった。

……

平安京大内。

天城澪は...

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