ラリー・ザ・トループ

ルナクイーン・アエリア視点

ストームクロウ砦、地球

手の中の通信クリスタルが一度だけ光り、そしてシュッと音を立てて消えた。消える直前、その上に宙に焼き付けられた言葉はこれだけ……。

「狐の獣人たちの村、モンタナ州クルーシブル近郊、救援を」

「レイリスが妖精の地に侵入。地下の血のセイレーンと血のヒルに注意せよ」

息を呑んだ。背筋が石のように硬直する。「クソ面倒なことになった」と、私は唸った。

ドレイヴンが一瞬で隣に現れる。そのアルファとしての気が空気にほとばしっていた。ハルリクとニラも険しい顔つきで詰め寄ってくる。私はもう一度、低く、抑揚のない声でメッセージを読み上げた。

「ソリアから...

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