生意気なプリンセス

エロウェン視点

ポータルが背後で揺らめき、腕の毛が逆立つようなエネルギーの音を立ててパチンと閉じた。ストームクロー砦は相変わらず冷たく、頑丈に佇んでいた。石と古の誇りから切り出されたその高い塔は、消えゆく光の中で長い影を落としている。三歩も歩かないうちに、ルナ・アエリーラに熊のように抱きしめられた。

「エロウェン」と彼女は息をつき、一歩下がって私の顔をまじまじと見つめた。「大丈夫?」

「最高とは言えないわね」と私は呟いた。「セイレーンの件があったの。でも、なんとかした」

アルファ・ドレイヴンが、山のような巨漢の彼らしく、こちらへ大股で歩いてくる。その眼差しは完全に仕事モードだった。「...

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