フェラルハーツ

ダクソン視点

タロンが再び彼女に――エロウェンに向かって突進し、俺の四つの足が土を掻いた。だが、俺は力ずくで手綱を引き戻す。

ダメだ。

こんなことはしない。今じゃない。こんな風にじゃない。古代の魔法がそう告げたからなんて理由で、やるもんか。走りの途中で姿を変えた。毛皮が肉へと溶け、爪がたこのできた指へと変わっていく。前のめりによろめき、地面に激しく叩きつけられた。

息を整える間もなく、彼女もまた姿を変えた。同じくらい突然に、同じくらい荒々しく。彼女の長く、黒と青と銀の混じった髪が、インクのように肌に張り付いている。月光が、まるで神々に祝福されているかのように、その体のあらゆる曲...

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