ドライアド・ライジング

ラクラン・マクレー視点

黄昏の中、結界が揺らめいていた。緑と黄金の魔力が格子模様となって、地神殿を囲う大気そのものに織り込まれている。ブーツの下で地脈が唸り、脈打っているのを感じる。まるで大地そのものが耳を澄まし、見守っているかのようだ。

「これで最後の層も終わりだ、坊主」親父のアラリックが、ごつごつした手のひらをパンと打ち合わせ、乾いた土と呪文の灰を払いながら唸るように言った。「これなら隕石が直撃したって、この神殿はびくともしねえだろうよ」

「ああ」母のイゾルデが呟いた。その黒髪は小枝と骨の魔除けで結い上げられている。「だが、あの血塗れの売女女神が嗅ぎつけに来たとしても、こっちの準備は...

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