ザ・ムーンズ・デマンド

エロウェン視点

森を抜けると、背後で門が軋みながら閉まった。心臓は激しく鼓動し、頭の中はめちゃくちゃに回るスロットマシンのように、思考がぐるぐる駆け巡っていた。ダクソン、アッシュ、タヤ、ライレン、ジェイス、そしていつでも戦闘態勢に入れるように狼のごとく脇を固めた突入部隊の全員が、私へと駆け寄ってくる。

誰かが触れる前に、私は手を挙げて制した。「触らないで。……お願いだから、やめて」

ダクソンは両腕を広げたまま凍りついた。「エロウェン?」

私は黒いガラスの小さな小瓶を掲げた。それはまるでそれ自体に心臓があるかのように、かすかに揺らめき、脈打っていた。「これよ。このクソみたいな小瓶が原因。...

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