ポータルタイム

エロウェン視点

私たちは城塞のすぐ外に立っていた。朝の陽光が、黄金の刃のように梢を切り裂いている。三人の番が鎧をまとい、殺気を放ちながら私の両脇を固め、その数歩後ろには、狼の精鋭部隊が武器を携え、鋭い眼差しで待機していた。

ラクランは草の上に裸足で立ち、シャツの袖を肘まで捲り上げている。古代ゲール語で何かを囁くと、その両手が淡く輝いた。彼の力は温かい蜂蜜と野火のようだった。心地よいが、下手に手を出せば危険極まりない。

「準備はいいか、嬢ちゃん?」彼は顔を上げずに尋ねた。

「宇宙に開いた魔法の穴に足を踏み入れる覚悟なんて、これ以上は無理ね」私は呟いた。

ダクソンはにやりと笑い、銃の撃鉄...

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