キャプテンモンロー

タヤ・クイン視点

カリフォルニアは、悪魔の金玉より暑かった。

滑らかな黒のSUVから一歩踏み出すと、もう汗が噴き出ていた。心の中で太陽に中指を立てながら、忌々しい軍太鼓みたいにブーツで舗装路を叩く。隣にいるライレンはいつものように落ち着き払っていたけれど、その緊張は伝わってきた。彼の狼であるアントンが、まるで奇襲でもかけられるかのように、彼の意識の奥でうろつき回っている。

まあ、なんていうか……実際、そうだったのかもしれない。

海兵隊基地の巨大なゲートが目の前にそびえ立ち、二〇〇二年以来まばたきもしていないような衛兵たちが見張っていた。彼らはすぐに私のクリアランスコードと護衛の身分を認...

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