ザ・リング・アンド・ザ・ビッチズ

エロウェン視点

まるで使命を帯びた月の女神さながらにボールルームへと足を踏み入れた後、私はまだ息を整えようとしていた。けれど、席に着いてタヤの手に目をやった瞬間、シャンパンにむせてしまった。

「ちょっと待って!!」

そこにあったのだ。指の上で、とんでもない太陽フレアが輝いていた。そのダイヤモンドは、実質、私の目を眩ませるほどだった。巨大で。一点の曇りもなく。まるでそれ自体に人格があるかのように、あらゆる方向へ閃光を放っていた。

リッシーラは面白そうに鼻を鳴らした。「あれは指輪じゃないわ。大量誘惑兵器よ。私は認めるわ」

タヤが得意げに小さく笑いながら指をくねらせると、私は甲高い声を上げ...

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