パワーとはどのようなものか

エロウェン視点

妖精のポータル広場

侵入の数秒後

ポータルは私たちを、刃のように広場へと叩きつけた。息をつく暇もない。考える時間もない。ただ、灰と、鋼と、血の匂い……そして、奴らの匂いがした。

大気はヴァンパイアの悪臭、鉄錆、腐敗、そして魔法の匂いで満ちていた。古代のポータルストーンの周りにはテントが張り巡らされ、盗まれた妖精の力で淡く輝いている。ホロウ・クリードの旗が風にはためいていた。乾いた皮と傲慢さで縫い合わされた旗が。

そして、奴らはどこにでもいた。衛兵。猟師。あの生気のない目と、見せびらかすような傲慢な牙を持つヴァンパイアたち。待っていたのだ。私を。

星の印が目の下で脈打つ。...

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