ドラゴンボーン

ヴァエルリクス視点

エラリオン・スパイア、玉座の間

アエテロス界

情けない。上級王と上級女王とやらを見つめながら、俺が感じたのはそれだけだった。まるで拝跪に値する何かを統べているかのように、今なお月長石の玉座に鎮座している。

伝統に、恐怖に、支配しているという幻想に、未だにしがみついている。奴らは真実を聞いたはずだ。警告も目にしたはずだ。俺の力がその城壁を揺るがすのを感じたはずだ。それでも……何もしない。

セラフィナの表情は無関心を装った仮面だ。

スランドリエルは、恐怖で失禁寸前の顔を戦略だとでも言い張るつもりか。エロウェンは人の皮を被った嵐そのものとなって、俺の隣に立っていた。光り輝き...

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