第9章

隆に海から引き上げられて一週間後、彼は私を二つ隣の町の警察署へと連れて行った。

前の晩、隆は全てを説明してくれた。彼には警察関係の強力なツテがあり、捜査を適当に終わらせることができるらしい。誰も遺体を見つけられなかった理由として、釣り中の水難事故で処理することも造作もないそうだ。これで表向き、牧野美月は行方不明扱いになる。あの四人のクソ野郎どもは、真実を知る由もない。

どうせ奴らは、私が死んだと思っている。なら、それを公然の事実にすればいいだけの話だ。

受付の警察官は、隆が書類を提出すると私の本人確認をした後、書類の内容を確認してから印鑑を押した。それから書類を所定のファイルに...

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